調理師養成教育全書 食文化概論 まとめ3

世界の料理と食文化

日本料理の食文化

  • 本膳料理
    • 日本料理の基本形。酒礼(式三献)、饗宴、酒宴
  • 懐石料理
    • 茶の湯の料理。料理によって、箸を変える。基本は杉の利休箸だが、取り回しする料理には竹の取り箸。菓子には黒文字
  • 会席料理
    • 酒がつく会席料理。俳諧の席にだされた料理が本来の名称といわれる。食いきり料理
  • 袱紗料理
  • 精進料理
    • 生臭を使わない
    • 五味(甘味、辛味、塩味、苦味、酸味)、五色(赤、緑、黄、白、黒)、五法(なまもの、煮物、揚げ物、焼き物、蒸し物)
    • 道元:典座教訓
  • 普茶料理
    • 江戸時代初期に明の禅僧陰元により伝えられた中国風精進料理。黄檗料理、寺卓袱とも呼ばれる。僧侶が茶を飲みながら協議などをする茶礼のあとに普茶料理が出された。肉や魚に見立てて作られた擬製料理などを大皿に盛りつけて、取り回して食べる。
  • 卓袱料理
    • 江戸時代初期に長崎で起こった中国の食事様式。卓袱とは中国で食卓にかける布のこと。円卓に座り、大皿料理を取り分ける。豚の角煮、沢煮椀などの獣鳥肉を食材とする料理や、梅椀と呼ばれるしるこなどの甘味あでるのが特徴

西洋料理の食文化

  • 古代ギリシア、ローマ時代
    • 紀元前5世紀ごろにはすでに美食の思想があった
    • アピキウス:最古の料理書「ラルス・マギリカ」。宴会ではガルムという魚醤と多量の香辛料を使った料理が出された
  • 中世
    • 14世紀、タイユバンが「食物譜(ヴィアンディエ)」を著す。
  • ルネサンス
    • 1533年、カトリーヌがアンリ2世に嫁ぐ。フランス料理の幕開け
    • ナイフ、フォーク、ナプキン、陶器、ガラス食器が登場する。ソルベ(シャーベット)も作られる
  • 17世紀から19世紀
    • ルイ14世に仕えたベシャメル侯爵によりベシャメルソースが作られた
    • ワインの生産が進み、スパークリングワインが作られる
    • 18世紀末、王侯貴族に仕えた料理人がレストランに流れる
    • 19世紀、ブリヤサバランが「味覚の生理学」ガストロノミー。アントナン・カレームが活躍。ユルバン・デュボアによって、一皿ずつサーブするロシア式がフランス料理に導入
  • 現代
    • 1914年ごろ、エスコフィエが活躍
    • 1930年後半、フェルナン・ポワンが活躍。彼の弟子がヌーベルキュイジーヌを盛り上げる
    • 1970年代、ポール・ボキューズ、トロワグロ兄弟が活躍
    • ジョエル・ロプション、アラン・デュカスなどが活躍

中国料理の食文化

歴史

  • 周、秦、漢時代(前11世紀から220)
    • 古文献に料理の記述が現れる
    • 膾、炙、羹(なまもの、焼き物、汁物)
  • 魏晋南北朝時代(220から589)
    • 最古の食経(料理書)「斉民要術」が著される
    • 華北は羊肉を中心に、ヨーグルト(酪)を常食し、あわやきび(北食)
    • 江南は魚中心、茶を飲み、米が中心。(南食)
  • 隋、唐時代(581から907)
    • シルクロードの拠点である長安を中心に、胡食(バターや油であげた点心の飲茶)が流行
    • 水車による製粉技術が発達、粉食が発展
    • 陸羽が茶経を執筆。華北にも伝播
  • 宋時代(960から1279)
    • 中国の国風文化が発達
    • 商業が発達
    • 蘇軾(唐宋八大家の1人)グルメ家、東坡肉は彼の名を冠した料理。
  • 元時代(1271から1368)
    • 北食の影響が強まり、油料理が増える
  • 明、清時代(1368から1912)

中国料理の特徴

普遍性があり、さまざまな地域で食べられる * 豊富な食材 * 乾物(干貨)の利用 * ふかひれ、つばめの巣、なまこなど * 医食同源 * 五味(酸、苦、甘、辛、鹹) * 明時代の本草綱目にはほとんどの食品に薬効が記される

中国料理の様式

宴席料理(筵席イエンシー)

  • フンチュウシー(草冠に軍)酒席
    • 満漢全席:最高の宴席。1人108から158品。最低でも33品。
    • 三畳水席:三畳水は、三段の滝。満漢全席の簡易版。朝昼晩と1日食べる
    • 酒席:一般的な宴会。
  • 素席:精進料理の宴席
  • 清真席:回教の宴席

飲茶

  • 鹹点心:麺、飯、焼売、餃子、包子、餅
  • 甜点心:月餅、杏仁豆腐など

家常菜は、日常食。北部では、包子、餃子、炒麺、湯麺。何部では粥、炒飯を中心に湯菜、炒菜、涼菜